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キャバクラ業界に
入るまで


特別な誕生日の
コース料理に
ついてくる
シャンパン

それが
モエシャンドンだった

シャンパンといえば
モエ


パパ活や
相席で知り合った
ちょっと
夜をかじった
若者が
今日はシャンパン
飲むか!

わあ

イケメンで
お金持ちなんだ!

みたいな

モエだして!

みたいな。

そんなイメージだった


夜を始めて

モエシャンドンが
1番お値打ちな
シャンパンに
なっていて


飲み歩く人。
初めての店で
お手並み
拝見がてらの人
同業で
とりあえず
おろすなら
ヴーヴ

昔から
飲み歩いている人
団塊世代
くらいの人からしたら
味云々より
シャンパンと言えば
ドンペリ

今でいう
SNSの普及がまだなく
インスタ映えのための
ソウメイ
アルマンド
D ROCK
ランボルギーニ
シャンパン
ダジャンシャンパン
CATIAシャンパン
のようなものは
昔は
無かったからだ

男は黙って
ドンペリニョン

なんて言う言葉が
あったくらいである

今は
夜を知らない人でも
ドンペリよりは
アルマンド
ソウメイの方が
インスタで
有名なキャバ嬢や
ソウメイジャパンの
日々の
SNS戦略の努力で
知名度に定評が
あるのでは
ないだろうか


年間通して
通える財力があり
シャンパンの
味にこだわる
飲み方を
知っている方は
ベルエポックや
クリスタル


クラブ通いや
ラウンジが
多い方は

サロンやラベイ
クリスタル
ベルエポックあたり。


夜を始めて
シャンパンの
イメージも
変わった

そんな中で

ふらっと入った
フリーのお客様が
一本おろそうか
ってなって
卓がざわついた後

モエシャンドンが
出てきた
タイミングで

元々交代の
タイミング
だったのかもだが

女の子が
スッと抜けたのだ




モエシャンドンは
酸味が非常に強く

高級シャンパンが
日々おりる日常に
比べ
安価で
まだ
お求めやすいが

飲みやすい
ものではなかった


そして
キャバクラでは
その日の売上は
バックが付かない

入り口で
◯◯ちゃん指名で
(本指名制度)

と言わずに、
店内に入ると

初めてまして
してから
君可愛いね☺️
指名したいわ

ってなるのが
場内制度と呼ばれ

女の子は回転は
止められて
お時間使いきるまでは
その子と
話せますよ

というものである


つまり
女の子からしたら
バックのつかない
指名外の席では

基本的に
飲みたく無いのが
多かれ少なかれ
本音である


そこに
飲みづらいモエシャン


しかし

懐かしい気持ちに
なった朝比奈

や、指名の席では
普段は
高級シャンパン
ゴリ押しである


だが
お客様の会話を
聞いていると

今日は
ズル休みしたら
怒られちゃって
みんなに
呼び出されたんだよね
って
落ち込んでたのに

気分が楽しくなった
せっかくだから
みんなで何か
飲もうか


そんな雰囲気だった


初めてのプリティ

足を運んで
頂いたのなら
楽しんで
帰って欲しい


幸い、その日は
指名が
いなかった朝比奈

お店も暇だったし

せっかくの
出会いである
どんな人なのか

人懐こい
このおじいちゃん

ゆっくり
話してみたいな

そんな思いだった

おろした
シャンパンの
縁が悪い


これって
指名の卓なら
別にいいのだ

私のお客様は
浴びるように
飲ませて
りえを酔って
使えなく
したいわけじゃない

好きなシャンパンを
入れる事で
朝比奈が
笑顔に
なってくれるために
入れてくれている

シャンパンは
いれるけど
飲まなくていいよ

そんな
お客様が多い


しかし

この席は
楽しい雰囲気だった

しかし
乾杯しても
ついた女の子の
グラスは
減らない






おじいちゃんってね

わあ!
嬉しい!
楽しいね!

っていう"空間"を

共有しに
きてる人が多い


いつもは
ビールだけど
今日は飲んじゃうかあ


というお客様

乾杯した時に
うん
美味しいね☺️

と一気されていた

ちなみに
おじいちゃん世代は
男は黙って
ドンペリニョン世代だ

ドンペリニョンも
酸味が非常に強い

もしかして....

シャンパン
好きかもこの人

とふと思った朝比奈


おじいちゃんと
楽しく乾杯しつつ

お連れ様の
残り2人のグラスも
空いたらすぐに
注ぎに行き
目を配っていたら

すぐに一本が空いた


おじいちゃん
とっても
嬉しそうな顔だった

3人座るのち
1番手前が
朝比奈で

奥の人が
何かを注文する際
仕切っていた


おじいちゃんは
ヤジを飛ばして
おちょくりながら
楽しんでいた

そして賑やかな
雰囲気のまま
ショータイムが
始まり
チップ販売で
ボックスチップが

運ばれて
きた際



おじいちゃんが
一言

あれなに?


ショー終わりに
水着に着替えた
女の子が
ショーを見てくれて
ありがとうと
一人一人あいさつに
来る際
好きな場所に
チップを挟める旨を
伝えると


五万ボックス
買えばいいんじゃない?


?!!


奥の仕切って
いた人が
飛んできて
2人で会議
しはじめたでは
ありませんか


買いすぎですって!

いやいいじゃん
買いなよ!


おじいちゃん
強気です


とても
いい流れです☺️


折れたのは
仕切っていた方


winnerおじいちゃん

高額チップの祭は
代表者様
1名を名前で
呼ぶ事が出来ます


その際
1番奥の
仕切ってる方は
おじいちゃんを
名指しに

おじいちゃんは
奥の方を
名指しにしていました



この時のやり方に
朝比奈は
違和感を
感じたのだった


尊敬語って
あるじゃないですか

敬語と違って
目上の方に対する
発言


奥の方が
おじいちゃんを
名指しの際

目上の上司を
たてて欲しい


そんな感じがした


ん?



このおじいちゃん
もしかして、、、



そして
チップコールに
卓の盛り上がりは
最高潮!


すげーなこれ!!

なんて
はしゃぎながら

真ん中の方に
おじいちゃんは
チップ
入れられたりして

男同士で
プリティごっこ
したりして

女の子に
チップを挟んで
楽しそうでした

そして
ショーが
終わった後
事件は起きたのだ



ピィぃぃぃぃ


笛の音が
店内を強く制圧します


なんだあれは?

天井からは
火花が出て
シャンパンを
持った女の子が
ステージを
ランウェイするでは
ありませんか。


あー!6万以上の
シャンパンを注文
すると
あれが出来るんです!


悪い笑みを
浮かべるおじいちゃん

あれすげーな!
と奥の仕切ってる方

真ん中は
やりたい
やりたいと
はしゃぐ始末

え、やりなよ笑

慌てふためき
また奥の方が
飛んできて
2人で会議


今日めちゃくちゃ
使ってますって!


あっちのカードにして
こっちを


ごにょごにょ



あ、頼んでいいよ



?!!!!!


なんと
モエシャンからの
5万チップからの
高級シャンパン
オーダー


これには
女の子たちも
盛り上がる


みんなステージに
上がるの大好き




ステージ上がって
さきみたいに
歩けるんでしょ?☺️
って
おじいちゃん


奥の方もさっきの子が
おろしてるやつと
同じシャンパン
こっちも入れて‼️


となったのだった


見た目ブランド品は
一つもつけていない

美容室に行った際に
将来
禿げると
言われたが
今でもふさふさだぜ

そんなユーモアのある
よく笑う
おじいちゃんだった

しかし
他の2人に
楽しんでもらいたい

行動の節々から
それは伝わった


帰り際に
僕ね
今日さ

ある従業員が
無断欠勤かな?

してて
なんかあったら
僕に相談してくれたら
いいのにさ

なんか悩みでも
あったのかなって

思ってたらさ
考えちゃって

気づいたら
僕も休んじゃってさ笑

そしたら
従業員から
すごい電話がきて

でもおじいちゃん
思ったんだって。

どうして新人の子は
休んでも
何も言われないのに

ずっと勤務してきた
僕はたまに休んだだけで

そんな
呼び出されるんだって



僕ね

建設業の社長
なんだけどねって

おじいちゃん
社長さんだったのね笑

そりゃみんな
急に
出てこなくなったら
心配しますよ





そして

こうも告げた
私は30過ぎています


我々の世代は
いつも先輩に
何か相談したり

何かあったら
先輩が
変化に気づいてくれる
そんな環境でした

でも
今の若い子は
ゲームで遊んで
育ったり
隣に誰が住んでるか
わからない
ご近所付き合いもしない

私たちの時代は
すれ違ったら
知らない人でも
こんにちは
今日もあついわねって
短い
挨拶をしあう

そんな時代だったが
今の子は
それを
"知らない"んです

だからきっと
社長さんに

自分なんかが
頼っていいのか

誰かに相談する
という
選択肢が
まず
無いのでは
無いでしょうか

"頼ることを"
"頼り方を知らない"

何か会社で
成果を上げたなら
堂々と
話せるかもですが

それも
入ったばかりの
子であれば
なおさら
わたしの存在なんて


と思って
かかえこんで
しまうのかもですね☺️

というと
頼り方を
知らないかぁ


君面白い事を言うね

僕からしたらさ

従業員は
みんな大切だから
頼って欲しいし
急にいなくなるなんて
寂しいからさ。


社長が
従業員の顔を
存在を把握している


社長の認識の中に
自分がいるんだ

という
承認欲求の一つだが

なかなか
企業において
社長が社員
ましてや
アルバイトを
一人一人
把握している
会社は少ない


しかし

社員は
この会社に
自分は必要なのだろうか

いらないんじゃ無いか

そんな思いを
ふみとどまらせる
方法が一つある

承認欲求を
くすぐる事だ



あった時に
目が合うだけで
天にも昇る気持ちに
なるのは

働く大変さも
稼ぐ大変さも
しったからこそ

社長ってすごいなあ
トップってすごいなぁ

そんな憧れや
リスペクトの
塊である

会社からしたら
居場所は
自分で作るものであり
成り上がりたかったら
まず
当たり前のことをこなし
成果を
確実に
上まで持ってきなさい

というのが
一般的だろう

しかし

大抵が
続かない


そして思うのだ

僕なんてここには
必要ないんじゃないか


私は社長さんに
こう伝えたかったが
でしゃばることでも
無いので
伏せたが




下の子の
名前を
呼んでみてください

何か成果を上げたり
頑張りが見えたら

一言声をかけて
上げてください

わかります

お気持ちはわかります

ご自身が
してきたら苦労から
したら

たったそれで
褒めたら
他の頑張り
続けてる子は
どうなるんだ


思うだろう


それでも
入ったばかりの
心細い社員は

それだけで


ここに
存在していると
いう承認欲求が
満たされ



会社の一部だという
自覚が生まれ

もっと
認められたい
頑張りたいと
励んでくれると
思います

うまく転がされたい

これは
お客様にも
同じ事が
言えるはずだ


好きだとか言われるより
前回話した会話や
その人が
◯◯行きたいねって
場所を覚えていて
誘ってみたり

そっちの方が
好きだ愛してる
何回も言うより

誰に依存していいのか
誰に
頼っていいか
わからない相手が
明確に
浮き彫りになるはずだ


見た目のブランドも
大事だが

会話や仕草

この人が
どんな人なのか
知ろうとしなければ

見えてくることも
見えなくなるだろう

たまたま
どんでん返しな
お客様だったが

いかにも
お金持って
なさそうな人だと
しても


いつも
過去にワンセット
ワンドリンクだった
人が

今日はパチンコ
勝ったから
りえちゃん
好きなもの頼んで!

と化けたお客様も
過去にいた


大事なのは
お金持ちか
どうかでは無い

朝比奈にとって
大事なのは

私に使うか
使わないか

である


超お金持ち自慢や
身につけているものが
すごかったとて

使ってもらえなかったら
意味をなさないのだ


使ってもらえる
自分であるために
磨く必要もあるが


見分けるのは
見た目だけでは
無いことも
あるのでは
無いだろうか

嘘つきを
見分けるのも

今日は
何をして
楽しみたいのか

心で察するのも
練習よね


この日は
場内だから
売上には
ならなかったけど

あんなに
笑って
帰ってくれたのだ

楽しかったら
必ず
人はお店に
返ってくる

たとえ
指名でなくとも

それは後でしか
わからないことであり

今日の楽しかったという
始まりがなければ

次はないはずである


朝比奈