タクシーの運転手が
シートベルトのご協力
お願いします
と言う言葉が
あるだろう
スマホを見ながら
または
イヤホンの音楽で
通話中で
その警告は静かに
消えていく
ある日の事だ
では出発します
シートベルトの
ご使用
ありがとうございます
と彼は言ったのだ
まだつけてなくて
カバンから携帯を
探していた時
違和感に手が止まる
シートベルトの
ご着用
ありがとう
ございます?だと....
なぜか気分が
良くなって
しまった朝比奈
携帯を探す手を
シートベルトに
移動したのは
言うまでも無い
お客様もそうだろう
来てよ!
なんでよ!
わたしへの好きが
足りない!
とか
って言われるより
ありがとうが
先に来て仕舞えば
人間
心よく
聞いてしまうものである
タクシーに乗るなんて!
と
母はよく言う
電車使いなさい!
考えられない!
とまでも。
辛くて行きたく無い日
売上勝負で
震える日
タクシー
運転手さんは
何気無い会話で
いつもヒントを
くれるのだ
"接客のプロ"
たまに勘違いした
頭のおかしな
人もいる
俺の島だここは
みたいな
家の中まで
入ってこようと
してくる人まで
過去にいたくらいだ
それはさておき
そんなのも居たのを
覆すほど
あまり会話しない
中で
ポロんポロんって
こぼした言葉に
パワーがある人が
多いのだ
いつもありがとうから
始まる指示って
素敵だなと
思う朝比奈であった
"愛される人''って
こういう積み重ね
なんだって思う
朝比奈であった
朝比奈